奥さんの妊娠中や産後のセックスレスが原因で、浮気に走ってしまう男性は少なくありません。セックスをしたい夫、その気になれない妻。
このすれ違いから生まれる「浮気」という悲劇を回避するには、どんなことに気を付ければいいのでしょうか。今回は、夫婦間のコミュニケーションのあり方について考えていきたいと思います。
その気になれない妻の本音
まずは私が過去に相談を受けた男女2人のエピソードをご紹介します。1人目は、1歳のお子さんを持つ女性Aさん(32歳/専業主婦)のお話しです。
Aさん:そろそろ2人目が欲しいけど、しばらくセックスレスが続いていて…。主人とは「そろそろ作ろうか」と話はするものの、いざベッドに入るとお互いに仕事や育児で疲れ切っていて、何もなく寝てしまう感じ。セックスってどうやって誘うんだっけ…?とタイミングがつかめずにいます。
――なるほど。産後にセックスレスになる方ってすごく多いんですよね。ちなみにどのぐらいレスの期間が続いているんですか?
Aさん:えっと、、2年近くになると思います。子どもを妊娠してから1回もしていないので。
――あら、妊娠中は1回もしなかったんですか?
Aさん:はい、してません。妊娠中はすごくつわりが重くて、安定期に入ってからもずっと体調不良が続いていました。主人も具合の悪そうな私を見て、遠慮していたのか、セックスを誘われることもなく。気が付いたら2年経ってしまった感じです。
――そうなんですね。旦那さんはその間、どうやって性欲を処理していたのでしょうか?
Aさん:わからないです。浮気はしないタイプだと思うので、我慢してるのではないでしょうか。子どもが産まれてから、『たまにはエッチしようよ』と誘われることもありましたが、私のほうがそういう気分になれなくて。『うーん、そのうちね』とか言ってはぐらかしてしまいました。
セックスしたい夫の本音
続いて、2人のお子さんを持つ男性Bさん(40歳/公務員)のお話しです。
Bさん:妻とは10年以上セックスレスが続いています。子どもはとても可愛いですが、妻とは仮面夫婦のようで心が通い合っている気がしません。子どもが自立した後、夫婦ふたりで暮らしていけるのか不安でたまりません。
――奥さんと歩み寄る努力はされてきたのですか?
Bさん:自分なりに頑張ったつもりです。何度かセックスを断られることが続いたので、あるときどうしてダメなのか聞いてみたんです。すると、「家ではそういう気分になれない」と言われて。それからリフレッシュをかねて家族で旅行に出かけ、子どもを先に寝かしつけて、今日こそ!と誘ってみましたが、「疲れてるからごめん」と断られ、心が折れてしまいました。
妻はふたりの子どもの母親として、育児や家事をしっかりやってくれていると思います。でも、パートナーという実感が湧かないんです。家庭の中で自分の性欲を解放することが許されず、去勢された気分です。
――おつらいですね。これまでご自身の欲望は外で解消されてきたのですか?
いえ、不倫をしたことはありません。何度かそういうシチュエーションになりそうなことはありましたが、いざ妻以外の女性とセックスをすることを考えると「なんか違うな」と思ってしまって。恥ずかしいお話ですが、性欲は休日に家族がいないときを見計らって、ひとりで処理しています。
セックストークは健康管理の一環!
男性側、女性側のそれぞれの本音を並べてみましたが、いかがでしょうか。
お二人の会話に共通しているのは、自分の本音を旦那さん(または奥さん)に打ち明けられていないことです。「きっと相手もこう思っているはず」という思い込みが独り歩きして、十分な話し合いがなされていないのです。
セックスを語ることは、自分自身をさらけだすこと。どんなに信頼するパートナーであっても、「相手にどう思われるだろう?」という不安や恥ずかしさから、素直な気持ちを打ち明けられない人は多いものです。
妊娠や出産によって、女性の体は大きく変化します。ホルモンバランスの変化によって性欲が湧かなかったり、したい気持ちはあってもつわりや産後の疲れで体がついていかないこともあるでしょう。
そうした変化を事細かに旦那さんに伝えること。すれ違いやすい時期だからこそ、「今、私はこういう状態だけど、あなたは大丈夫?」そんな互いの健康と性を気遣うコミュニケーションを大切にしたいものですね。