「セックスに励む気になれない」キャリア志向の女の本音

日本がセックスレス大国であることは有名な話ですが、「性の満足度」という点でも日本は世界で群を抜いて低いという調査結果が出ています。女性雑誌のセックス特集が人気を集める一方で、性に満足していない人口が増えているというのは皮肉な話です。

そこで今回は、少子化やセックスレス問題の要因として指摘されることの多い「女性の社会進出」をテーマに、セックスや結婚にまつわるキャリア志向の女性の本音にお話していきたい思います。

恋愛対象になる男がいない?!

筆者の知人には、男性と肩を並べて、夜遅くまで仕事をするキャリア女子が多くいますが、彼女たちもまた「仕事とセックスのあいだで悩むことがある」といいます。そのうち何人かに話を聞いてみました。

1人目は外資系証券会社に勤務するAさん(30歳)。平日の夜は帰宅時間が3時をまわることもあるという彼女の悩みは、恋愛に意識が向けられないこと、なのだそう。

「平日は大体朝6時から会議。夜に接待がある日は夜中の3時過ぎまで働きます。休日はたまった家事を片付けたり、エステで疲れを癒したり、たまに会社に行くことも。こんな生活を7年近く続けているので、出会いがありません。20代の頃は、合コンにも行っていたけど、30代になってからはお誘いがなくなりました。出産は経験したいけど、相手がいないので、正直焦っています」と語る彼女。セックスも長いあいだご無沙汰だと言う。

とはいえ、見た目はとても美人。”働く女性の憧れ”といった感じで、メイクやファッションにも品の良さが漂う。男性からお声がかからないはずがないのに、なぜ恋愛ができないのでしょうか。

「バリバリ働く女性って本当にモテないんです。男性と一緒に食事をしても、経歴や年収の話になると、みんな身構えてしまうし。私は仕事で帰りが遅くなることが多いので、職場から徒歩圏内の六本木に住んでいるのですが、先日は住んでいる場所を言っただけで、”やっぱりフツーの女の子とは違うよね”と言われてしまいました。かといって、男性と付き合うために今の仕事や生活を変える気にもなれません」

女性は、自分より年収や社会的地位が高い男性を求めるものですが、キャリア女子が同じことをしてしまうと、該当する相手がいないという現実が待っているのです。年齢を重ねるごとに男選びの基準が高くなり、出会いのチャンスがなくなる。そんなスパイラルに陥っているハイスペック女子は多いといいます。

男より仕事で、恋人と破局

続いて、話を聞いたのは、国際協力系のNGO団体で働いているBさん(27歳)。彼女は半年前に交際をしていた男性からプロポーズをされたが、仕事を理由に断り、破局してしまったそうです。

「彼のプロポーズをされたときはすごく迷いました。結婚にもずっと憧れていたので。でも今はやっぱり仕事が1番楽しいんです。それが結婚や出産によって奪われてしまうと考えると、どうしても踏み切ることができませんでした。この調子だと婚期を逃してしまいそう」

半年前まで付き合っていた彼氏との性生活についても聞いてみた。

「彼とは学生時代からの付き合いなので、5年弱付き合っていましたが、3年ほど前からほぼセックスレス状態でした。彼とは同棲をしていたけど、その頃からお互いに出張で家を空けることが多くなって、一緒のベッドで寝ても何もなかったですね。もう男女の関係ではなかったのかも」

女性の社会進出によって、彼女たちはかつてないストレスを抱えています。誰だって夜の10時、11時まで働いて、クタクタになって帰宅してから、セックスに励む気分になんてなれるはずがありませんよね。

また、キャリア志向の女性の場合、結婚や出産のタイミングで、仕事との二者択一を迫られることも、結婚やセックスを先送りしてしまう要因となっているでしょう。