妊娠中のセックスレスを夫婦円満で乗り越えるために私が心がけたこと

妊娠中は、多くの夫婦が「セックスレス」になると言われています。私も妊娠前は「どうして日本人は結婚するとセックスしなくなるんだろう……」と不思議に思っていました。しかし今回初めて妊娠を経験してみて、セックスレスに陥る夫婦の気持ちがよく理解できたのです。

そりゃいつまでもアツアツに愛し合うことができれば望ましいでしょうが、夫婦生活は「理想」だけではうまくいかないことが多いです。

とくに妊娠中は、つわりや腰痛など体の不調に悩まされ、仕事をセーブするなど生活スタイルの変化が求められる妻と、これまでの生活と何ら変わりのない夫との間ですれ違いが起きやすくなります。

そんなときでも夫婦円満で「セックスレス」を乗り越えるにはどんなことに気を付ければいいのでしょうか。今回は、妊娠をきっかけに初めてセックスレスに突入した、私たち夫婦の体験談をご紹介します。

妊娠の大変さ、体の変化をパートナーと共有する

冒頭でもお話しした通り、妊娠中って女性の体はすごいスピードで変化していきますが、男性はその変化になかなか気が付いてくれません。

両親学級に参加すると、妊娠中の体の変化について学んだり、男性が体に重しをつけて妊婦体験ができたりするので、少しは理解が深まるかもしれません。それでも男性にとって妊娠は「自分事」ではないので、毎日過ごしていると「気遣い」を忘れてしまうこともあるのです。

若い夫婦の場合は、「お腹が張るのを我慢して旦那さんのセックスに付き合わなければならない……」という女性の声も聞きます。そんなとき、男性の“身勝手な性欲”とどう付き合えばいいのでしょうか。

我が家では、妊娠初期の頃から「体の変化」を主人にマメに伝えるようにしていました。なかでも、主人のスマホにダウンロードした「パパninaru」という子育てアプリがけっこう効果的でした。

このアプリは、妊娠の週数が進むごとに週に1回更新されて、「赤ちゃんの成長」「ママの体の変化」「パパへのアドバイス」を無料で読むことができます。

このアプリを読んだあとは、主人は「マッサージしようか!」「週末は近くの公園でお散歩しようか」といろいろと気遣ってくれるようになりました。週に1回でも妊娠について男性に学んでもらう時間を持つことで、妊婦さんへの理解が深まると思います。

細かいこと、できないことに目をむけない

これは私の性格も関係していると思うのですが、妊娠をしてから自分の体が思うように動かなくなって、イライラすることが多くなりました。

気持ちの上では「今日は仕事するぞ!」「午前中のうちに家事を終わらせるぞ!」と思っていても、突然体調が悪くなったり、眠気に襲われて昼過ぎまで寝てしまったり……。妊娠前の自分と比べて、“ダラダラしている”と自己嫌悪に陥っていたのです。

こういうとき「まあいっか!」と軽く流せればいいのでしょうが、私の場合は、うまく気持ちのコントロールができずに主人に八つ当たりしてしまうこともありました。

せっかく家事を手伝ってもらっても「これができてない」とダメ出ししてしまったり、仕事で疲れて眠っている主人に「休みの日ぐらい朝ご飯作って!」とキレてしまったり……。

普段は気にならないような細かいことが目についてしまうんですよね。そういうときは、自分やパートナーを「甘やかしてあげよう」と思うようにしました。

妊娠の期間は長い子育て生活の中でたったの10か月。赤ちゃんが産まれて、育児が始まれば、思い通りにいかないことなんてもっと増えてくる。

そう考えると「今は、スケジュールの通りに進まない生活に慣れておくための練習期間なんだな」と思えるようになりました。

何をするにも自分中心で気ままに過ごせた独身生活から、家族や子ども中心の生活へとライフステージが変化した証拠ととらえて、前向きに過ごすようにしています。そうすると主人にも優しくなれて、ケンカが減り、夫婦生活も円満になりました。

性欲の代わりに「食欲」でおもてなし

つわりが落ち着いてからは、三食自炊の生活を送っています。仕事をセーブして自宅にいる時間が増えたので、体調がいいときは和食が好きな主人のために「一汁三菜の食事」を用意するようになりました。

愛情表現の手段は、必ずしも「セックス」であることはありません。妊娠や出産、その他体の不調などでスキンシップが減ってしまうときは、二人で共通の趣味をもったり、どこかへでかけたりして、心のふれあいを増やしましょう。

なかでも、食事は「性欲」と同じ三大欲求のひとつ。それに毎日のことなので、愛情を伝えるなら一番手軽な方法だと思います。

最近セックスが減ってるなぁと思ったら、旦那さんの好きな食べ物を作ってあげたり、ふたりで旬の食材を美味しくいただいたり……。胃袋を刺激してみてくださいね。

何でも話し合える関係を築いておく

最後はやっぱりお互いの性欲、体のことについてオープンに話し合える関係を築いておくことが大切だと思います。

男性の心は女性が思っている以上に繊細で壊れやすいです。妊娠中に奥さんをセックスに誘ったら冷たく断られてしまい、二度と誘えなくなってしまった…と悩む男性も少なくありません。

それで浮気に走るのはあまりにも身勝手に見えますが、性に関するコミュニケーションが不足している責任は奥さんの側にも少なからずあるんですよね。

性欲は「健康管理」の一種です。夫婦なら隠さずに話し合える関係を持ちたいところ。

「最近全然してないけど大丈夫?」
「ムラムラしたら口でしてあげるからね」
「今日、お昼寝する前にオナニーしちゃった!」

など、会話のきっかけは何でも構いません。性のすれ違いが起きやすい妊娠期間中こそ、寝室での性の会話を大切にしてみてください。